第76章 人に教える事は自分の勉強になる。
土方がふてくされたように口を尖らせていると、葵咲は土方からの教えを受け取って問題を解いていく。
葵咲「凄い!サクサク解けるね!ありがとう!」
土方「・・・・・。」
土方は隣で頬杖を付きながら葵咲の顔をじっと見つめる。
そして葵咲の肩へと手を回して抱き寄せ、唇を重ねた。
葵咲「!?」
突然の事で目を見開く葵咲。葵咲は慌てて土方を押しのける。
葵咲「ちょ、土方君!?ひじか…んんっ!」
一度は唇を離すも、再びグイッと引き寄せられて唇を奪われる。熱い口付けを交わしながら、そのまま床に押し倒された。土方は葵咲に上乗りになりながらも唇は離さない。数十秒も続くキスの末、土方はゆっくりと唇を離した。
土方「葵咲。」
今まで見た事のない“男”としての土方。葵咲を見る瞳は熱を帯びている。葵咲は顔を真っ赤にしながら慌てて言葉を放った。
葵咲「あっ、あの!ちょっと待って!お家の人は?こういうのはやっぱりマズイんじゃ…!?」
ここは土方の実家。真っ最中に親御さんに部屋を覗かれでもしたら気まずさ100%だ。この場の雰囲気に流されるわけにはいかない。
葵咲は上体を起こし、勉強に戻ろうとする。だが土方はそれを許そうとはせず、葵咲の腕を掴んで瞳を覗き込んだ。
土方「いねぇよ。今は俺達二人だけだ。」
葵咲「えっ!…んんっ!」
そうして再び土方は葵咲に口付けた。