第75章 大物が釣れたら後の魚への興味は一気に失せる。
一方、土方の自宅へと到着した二人。
葵咲は土方の自室へと案内された。
土方「適当に座っとけよ。」
葵咲「うん、ありがと。」
そう言って葵咲を部屋の中に一人残し、土方は部屋から出て行った。
部屋の中央に小さなテーブルが置かれており、二つ座布団が用意されている。葵咲を招くのに土方が準備していたのだろう。
座布団に腰を落として部屋の中をぐるりと見回す。部屋はとても綺麗に片付けられていた。勿論、葵咲を初めて招くという事で事前に片付けたのだろうが、物が煩雑に置かれている様子はない。恐らく普段から整理整頓を心掛けているのだろう。
それから少しして土方が戻る。手には二人分のオレンジジュースとお菓子を乗せたお盆を抱えていた。土方は持ってきたお菓子とジュースをテーブルへと置き、座布団に座った。
土方「じゃあ始めるとすっか。」
葵咲「うん。」