第8章 出かける時はちゃんとその事伝えなきゃダメ。
一時間は経っただろうか、土方は江戸の街中を色々と探してみるが、葵咲は見つからない。
土方「くそっ。何処行きやがったんだ!!」
日が落ち始め、辺りはだんだんと暗くなってくる。苛立ちと共に焦りも生じていた。その時、土方を呼ぶ声が聞こえた。
近藤「トシ!!」
土方「近藤さん!!」
近藤「葵咲ちゃん、見つかったか?」
土方「いや…。」
土方が屯所を出て行った後、山崎は近藤にその旨を話し、その時屯所にいた他の隊士達と共に捜索に出てきたのだった。葵咲の行方の心当たりや今まで捜した場所等を二人が話していると、一人の男が話しかけてきた。
銀時「おい!あいつがいなくなったって本当か?」
近藤「万事屋!」
隊士達が葵咲を探しているところを偶然通りかかり、事情を聞いた銀時は葵咲の捜索に加わっていたのだった。
近藤「ああ。昼過ぎまでは屯所にいたみたいなんだが…。」
銀時「あいつ…。」
土方「・・・・・。」
結構な人数で探しているはずなのに見つからない。その現状を確認する三人の表情は曇る一方だ。
近藤「俺はもう一度お妙さんの道場の方を探してくる!」
土方「アンタそこしか探してねぇじゃねぇかァァァ!!」
近藤「とにかく、手分けした方が早ぇだろ?大江戸病院の方には山崎が行ってる。」
土方「悪ぃ。」
そう言って三人は分かれて、再び葵咲の捜索へと戻るのだった。