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銀魂 - 雪月花 -

第73章 記憶を消しても罪は消えない。


二人は先程銀時と別れた場所へと向かった。そしてその場から玄関へと向かってみるも銀時や獅童の姿は見当たらない。二人は途中で立ち止まる。そこから先の道は真選組隊士達が突入の際に必ず通る一本道。そこにいるなら真選組の誰かがすれ違っているはず。この先に進んでも見つけられる可能性は低いだろう。
二人は踵を返して別の方向へと進んでみる事にした。

銀時達を探しながら、菊之丞は葵咲に注意を促す。


菊之丞「葵咲さん、気を付けて下さい。この一件に絡んでいるのは松島や花魁達と鳥居だけではありません。」

葵咲「え?」


走りながら菊之丞の方へと顔を向ける葵咲。葵咲の瞳に視線を合わせながら菊之丞が続ける。


菊之丞「この薬を発案したのは私です。ですが私は途中で匙を投げた。その投げた匙を受け取って製薬を引き継いだのは宇宙海賊です。」

葵咲「宇宙海賊!?」


思いもよらない単語の登場に葵咲は目を丸くする。葵咲の鸚鵡返しに菊之丞はコクリと頷いた。


菊之丞「恐らく、今日もここに来ているはずです。」

葵咲「じゃあもしかしたら、銀ちゃんはその海賊に…。」


その葵咲の発言の途中で、菊之丞は何かに気付いたようにハッと顔を上げた。


菊之丞「葵咲さん、あそこに人が!」

葵咲「!」


目を向けるとそこにはうつ伏せに倒れている銀時の姿が。銀時の周りには木片等が散らばっている。銀時の真上に視線を上げると、天井に穴が開いていた。どうやら天井を突き破って落ちてきたらしい。
二人は傍へと駆け寄って銀時を抱き起こした。温もりはあるし、息もある。どうやら気絶しているだけのようだ。


葵咲「銀ちゃん!大丈夫!?」


頬をぺちぺちと叩くと、銀時は眉をピクリと動かし、ゆっくりと目を開けた。


銀時「ってぇ…。」


気絶していた事により、意識が混濁しているのか。銀時は少しぼーっとした様子で葵咲と菊之丞を交互に見やる。


菊之丞「軽い脳震盪を起こしていますね。」

銀時「…ん?」


見た事の無い顔がある、そう言わんばかりに銀時は目を細めて菊之丞を凝視した。
それを見て葵咲は菊之丞を紹介する。
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