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銀魂 - 雪月花 -

第72章 誰もが心にラフテルを描いている。


一方、松島達に拘束されている葵咲と菊之丞。
菊之丞は鳥居の登場でもう逃れられないと思い、脱力したような顔を浮かべていた。


菊之丞「葵咲さん…相手が悪かったようです…。まさか、既にここまで仕込まれていたなんて…。」

松島「そういう事だ。無駄な悪あがきはよせ。ではそろそろ、仕上げといくかな?」


その台詞と同時に動いたのは松島の取り巻きの花魁二人。花魁達は葵咲に薬を投与する準備を始める。注射器を構え、葵咲へと近付いてきたその時、部屋の扉が勢い良く開け放たれた。


土方「そこまでだ!!」

近藤「御用改めであるぅぅぅ!!」


突然現れた真選組に、松島と鳥居は驚いて振り返る。花魁達は慌てて注射器を隠した。


松島「なっ!真選組が何故ここに…!?」

土方「おい。ここで何してやがる?」


尋問しながら松島へと刀を向ける土方。松島を庇うように二人の間に割って入ったのは鳥居だ。


鳥居「こ、これはこれは…お勤めご苦労様です。真選組の方々も今回の事件を調査しておいでで?」

土方「ああ。この遊郭で違法薬物が回ってるっつー情報が入ったからな。違法薬物の陰には攘夷浪士の陰がある可能性がある。」


鋭い眼光で鳥居を睨みつける土方。目で殺してしまいそうな勢いだ。正しく蛇に睨まれたカエル状態。
だがこのまま喰われるわけにはいかない。鳥居は見られては困るモノを隠すように、菊之丞と葵咲の前へと立ってしどろもどろに説明を始めた。


鳥居「なるほど。ですが残念でしたね、この件は攘夷浪士は関係ありませんでしたよ。このとおり、下手人はこの花魁の菊之丞でございます。こちらの女は菊之丞の常客で中毒者です。言動もおかしく、危険ですのでお下がり下さい。奴らの身柄はこの奉行所の鳥居が預かりますので、どうかお引取りを…。」


葵咲達に下手に口を挟まれる前に真選組をその場から退散させようとする鳥居。
そんな鳥居の背後から、聞いた事のある声…いや、音声が流れた。
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