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銀魂 - 雪月花 -

第68章 相談する事は信頼の証。


ここに来てまさかの事件の核心へ。
だがここで、不用意に飛び付くわけにはいかない。獅童が被疑者である可能性は限りなく低いが、泳がされて葵咲を釣る為の餌にされている可能性はある。これが罠だった場合、葵咲と葵咲の背後にいる真選組の情報が搾取され兼ねない。
安易に飛び付いて足元を掬われないよう、慎重に言葉を選びながら葵咲は更なる情報を引き出そうとする。


葵咲「ヤバイもんって?」

獅童「さぁ。そこまでは俺も知らねぇ。」

葵咲「そのヤバイもんにはお客さんも関わってるんですか?この遊郭で身体以外に売っている物があるとか…。」

獅童「どうだろうな。俺は特に何か売れとか言われた事ねーけど。」

葵咲「・・・・・。」


恐らく薬の件で間違いないだろうが、決定打に欠ける。それに売買に関わっている花魁は限られているという事なのか、それとも関与してるのは菊之丞だけなのか、それもはっきりしない。
葵咲が手を顎に当てて考え込んでいると、その様子をじっと見つめていた獅童がニヤリと微笑を浮かべた。


獅童「そういやぁお前、昨日俺と話してる時 薬がどうのって言ってたよな?」


ぎくっ。
思わず態度に出てしまう葵咲。昨日は話を流して誤魔化したつもりだったが、やはり無理があったらしい。そして今の葵咲の反応を見て獅童は確信する。


獅童「ははーん、その様子は図星だな。もしかして、うちで回ってるヤバイもん、"違法薬物(クスリ)"か何かか?それで、アンタが潜入捜査で…」


そこで葵咲はキッと顔を上げて右手を前に差し出す。そして人差し指で獅童の唇を押さえた。


葵咲「ストップ。それ以上は知らない方が良い。貴方まで巻き込んでしまいます。」


ここまでヘラッとした態度を見せていた獅童だったが、葵咲のこの言葉を聞いて再び真剣な顔に戻す。そして葵咲の腕をガシッと掴んで反論した。


獅童「ここで働いてる時点で巻き込まれてんだろ。」

葵咲「・・・・・。」


その言葉に対して言い返す事は出来なかった。だが葵咲は獅童の手を振り払い、首を横に振るう。
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