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銀魂 - 雪月花 -

第65章 『お客様は神様』って台詞は店側が言う台詞。


葵咲は華月楼から少し離れた路地裏にて山崎を待つ。落ち合う場所は昨日のうちに決めていた。それから幾分も経たないうちに山崎がその場へ訪れる。


葵咲「どうだった?天井裏は。」

山崎「捜索可能な限り見てみたけど、それらしいものは見つからなかったよ。」

葵咲「そっか。場所を移した可能性が高いのかもね。」


ずっと同じ場所に隠しておくとも考えにくい。関与していない華月楼の従業員に知られても悪事が露見するからだ。恐らく定期的に移動させているのだろう。二人が唸りを上げていると、背後から声を掛けられた。


「葵咲ではないか。」


振り返ると、そこには少し驚いた表情を浮かべる月詠がいた。月詠の姿を見た葵咲は目を瞬かせる。


葵咲「月詠さん?こんなところで何してるんです?」

月詠「わっちは吉原自警団。見回りじゃ。ぬしこそここで何をしておる?」


吉原自警団、そういえばそんな話を銀時から聞いた。月詠が吉原にいるのは当たり前だ。逆に葵咲がここにいる事の方がイレギュラー。月詠の質問の答えを考える葵咲に、山崎はこっそり耳打ちする。


山崎「話しちゃダメだよ。」

葵咲「分かってるよ。」


いくら天然の葵咲と言えど、守秘義務くらいは分かっている。隊内でさえ極秘任務なのだ。部外者においそれと喋るほど馬鹿ではない。だがここにいる理由が咄嗟に思いつかない葵咲は口篭ってしまった。月詠は怪訝な顔をしつつも、ふと葵咲の隣にいる山崎へと目を向ける。


月詠「ん?なんじゃその男は。…あー、なるほど。そういう事か。」


ニヤリと意味深な笑みを浮かべる月詠。葵咲の肩に手をポンと置いて目を瞑りながら言った。


月詠「それなら最初に言わんか。良い宿を紹介してやる。勿論料金はいらん。こっちじゃ。」

葵咲「?」

山崎「違いますからァァァァァ!!」
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