第6章 仕事において報連相は何よりも大事。
予想だにしていなかった総悟の台詞に、土方は戸惑う。驚いた近藤も総悟に聞き返した。
近藤「本当か?何かの間違いじゃないのか、総悟。」
総悟「昨晩、葵咲姉ぇの部屋の付近を通りがかった隊士が深夜まで明かりがついてたのを見たらしいんでさぁ。」
総悟の発言におかしな点を感じた土方はすかさずツッコむ。
土方「おい、ちょっと待て。アイツの部屋は離れだろ?誰が通りかかるっつーんだよ。」
総悟「その点は心配いらねぇや。俺が問いただしてそいつシメときやした。」
土方「おいおい。不順な目的があったってことかよ。」
仮に仕事の依頼で立ち寄ったのだとしても、夜の夜中に行くのはマナー違反だ。離れに行く時間については門限を決めるべきだろうかと土方が考え、近藤に提案しようとした時、それより先に総悟が口を開いた。
総悟「それで話を戻しますが…。」
土方「おいちょっと待て。そっちの方が大問題だろうが。スルーしていい問題じゃねぇだろ。」
総悟「近藤さん、この部下扱いの酷い鬼上司は即刻クビにするべきじゃ…。」
土方「待てェェェ!!無視かァァァ!!勝手に話進めてんじゃねェェェェェ!!!」
近藤は土方と総悟の両方に目を向け、なだめるように言った。
近藤「まぁ待て、トシ、総悟。葵咲ちゃんが夜遅くまで起きてたのは事実だとしても、仕事をしてたとは限らんだろう。もしかしたら夜な夜な一人でシコシコしてたのかもしれねぇ。」
土方「お前と一緒にすんじゃねぇよ。」
至って冷静にかつ真剣に意見を述べた近藤だったが、土方に一蹴された。そして土方は考え込むように右手を顎に当てて言った。
土方「だが確かに近藤さんの言うことも一理あるな。」
近藤「だろ?やっぱりシコシコ…。」
土方「違ぇよ。仕事じゃねぇかもしれねぇっつー話だ。まぁどちらにせよ、今あいつがどれだけの仕事抱えてんのか、どれだけ時間掛かってんのかを洗い直す必要があるな。」
そうして三人は葵咲を呼び出し、葵咲の抱えている仕事等について面談することにしたのだった。