第6章 仕事において報連相は何よりも大事。
それから約一週間が経った。土方はその日も葵咲に資料の作成を言い渡す。ほぼ毎日、色々な仕事を葵咲に渡していた。
土方「市村。これも頼めるか?」
葵咲「はーい。」
もう特に説明しなくても、どういった資料を作成すれば良いのか、葵咲は土方の考えている事が分かるようになっていた。
土方「明日までにまとめてくれ。後、これも。」
葵咲「はい、分かりました。」
書類を受け取った葵咲は、自室へと戻っていく。その様子を見た山崎は、微笑みながら言った。
山崎「なんだか葵咲ちゃん、副長の秘書って感じですね。勘定方の仕事もあるから兼務ですけど。」
近藤「ははは。確かにそうだな。」
山崎の感想に、近藤も腕組みしながら笑って同調する。それに対して土方は、少し照れくさそうに答えた。
土方「んだよそれ。別に秘書なんていらねーよ。アイツが仕事ねぇっつーから渡してるだけで…。」
流石は土方、テンプレどおりのツンデレ対応だ。本心では自分の仕事も減り、有能な部下が出来た事を嬉しく思っているのだが、素直にそれを口に出来ない。その時、背後から突如現れた総悟が、土方に向かって刀を振り下ろした。
総悟「土方ァァァ!覚悟ォォォォォ!!」
土方「どわーーーっ!!なんだよ総悟!!」
間一髪のところで交わした土方は、総悟に向かって叫んだ。いつも暇があったら土方に奇襲をかけている総悟だが、今回はそんなお遊びとは少し違うようだ。真剣な表情で総悟は土方に物申す。
総悟「アンタ一体どういうつもりですかぃ?葵咲姉ぇに仕事山程押し付けて、過労死させる気ですかぃ?」
土方「は?何言ってんだよ?」
総悟「しらばっくれるつもりですかぃ?葵咲姉ぇの仕事、既に半端ねぇ量になってて徹夜してるらしいじゃねぇですか。」
土方「え。」