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銀魂 - 雪月花 -

第62章 どの組織にも型にはまらない奴がいる。


話が逸れてきている事に内心少し焦りを感じる山崎。


土方・山崎「逸らしてんのは柚木(オメー)だろうが。」


このまま話が打ち切られてしまったら折角の調査が水の泡だ。話の筋をどう戻そうかと考えていると、土方が本題へと入るよう促してくれた。


土方「で?その遊郭がどうしたってんだ?」


心の内ではくだらないと思っている土方も、事件とあらば一応最後まで話は聞いてくれる様子だ。そんな土方の態度に少しホッとしながら山崎は本題へと入る。


山崎「どうも良くない噂を耳にしましてね。花魁と客との間で違法薬物が売買されてると…。」

土方「!」


“違法薬物”のワードを聞き、土方の目の色が一瞬で変わる。これまでの態度を改め、鋭い眼光を山崎へと向けた。


土方「そいつぁ特定の花魁がって事か?それともその遊郭自体が運営してんのか?」

山崎「そこまではまだ…。」


調査中につき、まだその核心までには到っていない。だが山崎の報告を聞く限り、放っておくわけにもいかないだろう。土方は腕組みしながら唸りを上げる。


土方「一度洗う必要があるな…。薬物といやぁ攘夷浪士どもが絡んでる可能性も否めねぇ。」


しかし、どう調査するか。吉原は幕府に黙殺されている超法規的空間。管轄の奉行所は形だけのものである。夜王が交代した事で遊郭は廃止される方向になったものの、まだ残っているのが実状。遊郭から風俗へ名前を変えただけの店も沢山ある。長年続いた風習や思想はそう簡単に無くなる物ではない。下手に首を突っ込めば捜査が打ち切られる事もあるだろう。いや、下手人が攘夷浪士ならば良いが、幕府が黙認するような相手だったならば、真選組そのものが消される可能性だってある。これは慎重に捜査を進めなければ…。土方は顎に手を当てながら目を瞑って唸る。そんな土方に助け舟を出すような提案が持ちかけられた。
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