第62章 どの組織にも型にはまらない奴がいる。
一枚の報告書を手に、山崎は土方の部屋へと訪れる。新たな事件の臭いだ。だが山崎が報告を始めて一分も経たないうちにツッコミが入った。
土方「男の花魁だぁ?」
聞き慣れないワードに話の冒頭からツッコミを入れてしまう土方。だが冗談等の類ではないらしい。山崎は至って真剣な眼差しのまま報告を続ける。
山崎「はい。最近吉原に新しく出来た遊郭です。」
土方「つまり女が男を買いに行くって事か?んなもん誰が行くんだよ。儲けになんねぇだろ。」
バカバカしい。そう言わんばかりに土方は眉根を寄せながら煙草に火を点けた。報告はまだまだ序盤、本題に入れていないところで打ち切られるわけにはいかない。山崎は真剣に耳を傾けてもらえるようにと、土方の気を引くように言葉を紡いだ。
山崎「そうでもないみたいですよ。最近は草食系男子に、肉食女子が流行ってますから。」
土方「ケッ。男が女に食われるなんざ世も末だな。つーかこれ、大丈夫なのか?三編連続お前の報告から物語始まってんだけど。そろそろネタ切れだと思われそうなんだけど。」
不審行動編、隔離生活編とも、話の冒頭は山崎の報告から。それは作者の至らない点で大変申し訳無い。山崎さん、フォローお願いします。作者柚木より。
山崎「『柚木より。』じゃねーよ。登場人物にフォロー丸投げしてんじゃねーよ。」
ジミーが調子乗ってんじゃねーぞ。
山崎「ジミーナメんなコラァァァ!!地味キャラあってこそ、引き立て役あってこそ主役が輝くんだろうが!生け花にはカスミソウも必要なんだよ!」
まぁそういう事にしといてあげよう。
内心山崎は作者柚木に苛立ちながらもフォローを入れる。
山崎「内心じゃなくて思いっきり外に出してますけど。…大丈夫です。前回は局長がいたのでちょっと違ってます。」
土方「いや、それそんな大差ねぇだろ。」
山崎「そもそもこの小説自体にそんなに期待されてません。」
雪月花ナメんなコラァァァァァ!!
土方「おい。いい加減にしろよ。筆者との絡み長ぇんだけど。いい加減本気で飽きられそうなんだけど。」