第61章 契約書の小さい文字には重要な事が書かれている。
近藤「奴らを迎え撃つ為には広い場所が必要なんだ。頼めるのは服部殿しかいないんだ。頼むよ。」
服部「あ~なる程ね。俺ボンボンで屋敷広いし、一人モンで誰もいねーし、ここだったら誰にも迷惑かからんと…んーそういうアレか・・・・。ってどういうアレェェェェェ!?つーか、この台詞ついこの間も言ったぞォォォォォ!!」
まさかのデジャブに自分でツッコミを入れてしまう。そんなツッコミは無視して土方は懐に手を忍ばせてゴソゴソし出した。
土方「契約書に書いてあったろ。」
服部「契約書?」
聞き覚えの無い“契約書”のフレーズに思わず片眉を上げて怪訝な顔を浮かべる服部。そして土方は懐から一冊の分厚い冊子を取り出し、服部の前へとずいっと差し出した。
土方「葵咲こいつの護衛を頼んだ時に交わした契約書だ。」
服部「?」
差し出された冊子を手に取ってペラペラめくってみるが、全く見覚えが無い。眉根を寄せて契約書をめくる服部に対して土方は契約書に貼られている付箋を指差し、しれっと言葉を付け加えた。
土方「ほら、この契約書の138ページ見てみろ。『万が一敵戦力と戦闘になる場合は、甲(はっとり)は乙(しんせんぐみ)へ住居含む全ての土地を貸し出す事とする。』」
服部「いやいや聞いてねーよ!しかも文字小せェェェ!こんなん読めるかァ!!そもそもこんな分厚い契約書、今初めてお目にかかったけどォ!?新手の詐欺かァァァァァ!!」
契約書を床に投げ付ける服部。そんな服部に銀時はゆっくり近付いてきて右肩にポンッと手を置く。
銀時「ちょっとくらい貸してやれよ、ケチくせーな。減るもんじゃなし。仕置人の時と変わんねーって。」
服部「減るより悲惨だろーが!戦場だぞ!!殺害現場より酷いじゃねーか!!」
今度は神楽が服部の側へと歩み寄り、左肩へとポンっと手を置いた。その表情は呆れた表情で、発される言葉はため息交じりである。
神楽「ケチな男もモテないアルヨ。女が付け入るスキを作る事とケチケチしない事がモテる秘訣ネ。そこを改めないと一生一人モンアルヨ。」
服部「付け入ってくんのは女じゃねーだろ!詐欺師しか付け入ってこねーよ!借金の保証人とかにされそうだよ!!」
的確な考察とツッコミである。