第61章 契約書の小さい文字には重要な事が書かれている。
ガラララッピシャァァァァッ!!
勢いよく開けられた扉の先にいたのは近藤を先頭にした真選組隊士達だった。
近藤「たのもォォォォォ!!!!!」
突然の緊迫した空気…、というより場違いな雰囲気に服部は目が点だ。それはたった今大富豪から大貧民への転落人生を歩み、放心状態になっていた事も理由の一つ。少しの間ぼーっと近藤達真選組を見つめていたが、ふと我に返って冷静にツッコミを入れる。
服部「ちょ、何。何人ん家勝手に入って来てんの?しかも土足で!せめて靴ぐらい脱いで来いよ!泥だらけじゃねぇかァァァァァ!!」
よくよく見ると近藤を含む隊士全員が靴のまま突入してきていたのである。しかもその靴は泥だらけ。もはやただの嫌がらせにしか思えない。服部のツッコミは最もである。そしてそんな服部に同調するように、今度は銀時が眉間にしわを寄せながら不満を申し立てた。
銀時「そうだぞテメーら。人が大富豪になった矢先に。」
服部「そこは別にいーだろ!」
二人が現在の状況に不満な理由は全く違うが、ここで二人を納得させるように土方が割って入った。
土方「いきなり悪いな。だが事は急を要する。“ヤツら”がこの場所を嗅ぎ付けやがった。」
「!!」
その場にいた誰もがゴクリと唾を飲み、手に持っていたトランプを投げ出して身構える。緊張状態が伝わったところで、更に土方が言葉を付け加えた。
土方「攻め込んでくるぞ。今すぐ市村連れてここを出ろ。ここは・・・・戦場になる…!!」
ここで素直に受け止められないワードが聞こえてきて、服部はすかさず冷静さを取り戻してツッコんだ。
服部「ちょっと待て。戦場になるってお前、何さらっと爆弾発言してくれちゃってんの?ここ俺ん家なんだけど。」
自分の家が戦場になる発言は聞き捨てなら無い。どう考えてもおかしい。怒りが爆発しそうになっている服部を宥めようと、今度は近藤が真剣な眼差しを向けて説得を試みた。