第60章 修学旅行の夜は枕投げ。
ここで二人を宥めるように割って入るのは新八。新八は服部の肩にポンと右手を乗せ、ハハッと笑いながら呆れたような笑みを見せた。
新八「まぁまぁ、堅い事言わずに。」
服部「何第三者的な立場取ってんの?お前も含まれてるからね!」
新八の仲裁は単に火に油を注いだだけだった。
そして更に油を注ぐような発言が飛び交う。葵咲が思いついたように両手をパチンと合わせて満面の笑みを見せた。
葵咲「あ、そうだ!夜は皆で枕投げしよーよ!」
銀時「おっ、いいねぇ~。」
神楽「腕がなるネ!」
服部「完全に修学旅行じゃねーかァァァァァ!お前はもっと危機感を持て!!」
そのツッコミも虚しく、発言は空(くう)へと消えてゆく。服部の存在を無視するかのように修学旅行トークは続けられた。
葵咲「明日の朝食もバイキング形式にするね。」
銀時「おっ。サンキュー。修学旅行の朝と言えばやっぱバイキングだよな。」
服部「だから修学旅行じゃねぇっつってんだろ!」
ここでやっと服部の声が葵咲に届く。葵咲は険しい顔をしながら深いため息を吐いた。
葵咲「服部さんノリ悪いなぁ~。もっとテンション上げましょうよ!」
服部「テンション上げる必要ねぇだろ!!」
葵咲のため息にイラッとくる服部。自分は間違った事は言っていない。なのに何故か自分一人が空気の読めない嫌なヤツになっている。イライラを募らせてはいるが、誰もその事への気遣いもない。それどころか気付いてすら貰えない。
そして更に服部を追い出すような発言が飛び出してきた。
葵咲「あっ、そうだ服部さん。やっぱり食材買ってきてもらえます?この人数じゃ足りないので。」
服部「なんで俺に指図してんだよ!?」