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銀魂 - 雪月花 -

第59章 朝食バイキングは無性にワクワクする。


翌朝、目を覚ました服部は枕元に置いてあった時計を手に取る。


服部「ふぁ…。げっ、もうこんな時間かよ…。」


時刻を確認すると十時を回っていた。
まぁ無理もない、遅番のシフトだったのだ。風呂から上がって何やかんやで寝たのは三時半頃。しかも昨日は葵咲と絡んで想像以上に体力を消耗した。六時間半の睡眠でも足りないくらいだ。

服部はむくりと起き上がり、布団をたたむ。そして部屋を出て葵咲のいる客間へと足を向けた。


服部「悪ぃな、遅くなっちまったが朝飯…。」


部屋の外から声を掛けるも、反応なし。いや、人のいる気配が無い。もう一度襖をトントンと叩いてから再度声を掛ける。


服部「おい、入るぞー。あれ?何処行きやがったあの女…。まさか、出て行っ…!?」


入ると布団は綺麗に畳まれた状態で葵咲の姿はなかった。昨日の葵咲の危機感の無さを思い出し、どこぞへフラフラと出掛けた事を疑う服部。
だがその時、台所の方からトントントンと食材を切る音が聞こえてきた。服部は急いで台所へと向かう。


葵咲「あ、おはようございます。」


ダイニングルームに入るやいなや、葵咲が笑顔で挨拶をしてくれる。それは大変嬉しい事なのだが、葵咲の行動に唖然となった服部は挨拶を忘れて問いただした。


服部「何してんの?」

葵咲「朝ごはん作ってます。」


服部からの質問に、葵咲は野菜を切っていた手を止めて答えた。服部は無表情のまま続ける。


服部「それは見たら分かるけど。」

葵咲「昨日自分家みたいにしてくれていいって言われましたし、こんな事ぐらいしか出来ないので。」

服部「確かに言ったけど。」

葵咲「何かしないと落ち着かなくて。」

服部「それも気持ち分からんでもないけど。…だからってコレ作りすぎだろォォォォォ!!」


ダイニングルームのテーブルには様々な料理が並べられていた。ざっと二十品以上はある。自分家みたいにしてくれて良いとは言ったし、台所も勝手に使ってもらって構わない。だが、常識ハズレの品数に激怒したのだった。
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