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銀魂 - 雪月花 -

第59章 朝食バイキングは無性にワクワクする。


浴槽に浸かりながら先程聞き得た話を思い返していると、ふと、土方の言葉を思い出した。


土方『余計な詮索はするな。』

(服部:あの男、何か掴んでやがるのか?市村の過去、護り屋の依頼人も洗ってみるか…。)


その時、突如浴室の扉がガララッと開いた。当然の事ながら無防備になっている服部はビクッと跳ねるように驚く。


服部「ぎゃぁぁぁァァァァァ!何!?ちょ、マジで何ィィィ!?」

葵咲「あっ、ごめんなさい、声掛けるの忘れてました。」


葵咲はハッとした表情で口元に手を当てて謝罪する。確かにそうなのだが。入るにしても一声掛けてから入るべきなのだが。服部はそういう意味で言ったのではない。慌てた様子で言葉を付け加える。


服部「いやいや、そうじゃなくて!なんで入ってきてんの!?」

葵咲「お背中お流ししようかなーと思って。」


浴槽に浸かっていて良かった。しかも扉の方に背を向けた状態だった為、大事なところは見えていないハズ。だが念には念を入れて(?)更に深くお湯の中に浸かりながら首だけ振り返って葵咲に出て行くよう告げる。


服部「いやいいよ!そんな気ィ遣わなくていいから!ちょ、出てって!!恥ずかしいからマジで!!」

葵咲「そうですか。」


ここまで拒絶されては仕方が無い。葵咲はしょぼんとした顔で浴室から出て行った。服部は暫く扉の方をじっと見つめながら、葵咲が脱衣所から出て、その足音が遠のくのを確認する。そして完全に離れたところでほっとため息をついた。


(服部:なんなんだあの女。まさか…俺が色々嗅ぎ回ってる事に感付いたか?)


その時、再び土方の言葉が頭の中を木霊する。


土方『余計な詮索はするな。それがお前の為でもある。』


深入りして泥沼にハマるなという事だろうか?これだから別嬪は嫌なんだ、調査するなら慎重にする必要があるな…等と思い、色々な戦略を練りつつ、湯船から上がった。
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