第59章 朝食バイキングは無性にワクワクする。
服部「…なんかやけに綺麗だな。」
脱衣所に入り、違和感を感じる服部。いつもより割り増し綺麗に感じる。
一先ずその違和感は片隅に置いておいて、服を脱いで浴室に入った。
服部「って掃除しすぎだろォォォ!新築同様じゃねぇかァァァァァ!!」
綺麗好きの服部は普段から掃除はきちんとしている方。だが、毎日掃除していると言っても限度がある。風呂場は湿気も多い為、カビも生えやすく、手の届かない天井や隅っこは黒ずんでいたはず。しかしそれが一切無く、キラキラピカピカの浴室になっていたのだ。葵咲が掃除をした事は明白なのだが、嬉しい半面、一つの思惑も浮かび上がってきた。
服部「あれか?痔持ちの奴が入ってる風呂なんて汚くて入れねぇってか?ふざけやがって。痔持ち馬鹿にすんなよ!!くそっ。なんか考えたら腹が立ってきた~。」
葵咲は真選組隊士全員が入った後の風呂にも気にせず入れる気質。痔だ何だと、そんな事は微塵も考えずに掃除しており、これは単なる服部の被害妄想にすぎないのだが、屯所での生活を知らない服部はその疑念を膨らませた。
まぁそれはさておき、風呂に浸かれば疲れは取れるもの。一息つきながら葵咲の事について考えを巡らせた。
(服部:しかし…あの女、何か裏がありそうだな…。)