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銀魂 - 雪月花 -

第57章 先入観で物事を判断すると、ろくな事がない。


その日の夜もまた、山崎は土方への報告を行なう。勿論、桂とのやり取りも、その後の総悟とのやり取りも全て漏れなく報告した。話を全て聞いた土方は、ひとまず総悟の事は置いておいて桂とのやり取りについて見解を述べる。


土方「その会話から察するに、桂は葵咲を引き入れようとしてるわけじゃねぇっつー事か。」

山崎「はい。むしろ、葵咲ちゃんを追い返そうとしているようでした。」


葵咲と桂が幼馴染という関係については知らない二人ではあるが、桂が葵咲に接触しようとしていた過去を検証し、桂が葵咲に対して敵意を持っていないと踏んでいた。だが仮に桂が葵咲に対して友好的であったとしても、会話から察するに桂の周りの人間は葵咲に対して良い印象を抱いているとは思えなかった。土方は腕組みして深く唸り、悩んだ末に言葉を押し出した。


土方「・・・・山崎、明日は俺も同行する。」

山崎「えっ!?」


まさかそうくるとは思っていなかった。山崎は目を丸くして土方を見つめる。土方の眼差しは真剣そのもので、決して冗談で言っているのではない事が分かった。そして土方が続ける。


土方「葵咲がまた同じ場所に出向くようなら現場を押さえるぞ。」

山崎「でも…良いんですか?」


当初の予定では、暫く葵咲を泳がせて芋づる式に攘夷浪士押さえる手筈では?ここで現場を押さえてしまえばトカゲの尻尾きりになり兼ねない。雑魚だけ捕まえても仕方がないと考えた山崎は土方に問い返す。だが、土方は意見を変える事無く、首を縦に振る。


土方「その様子じゃあ桂はテロ活動の尻尾を出さねぇだろう。これ以上葵咲を泳がせれば、葵咲が攘夷活動に巻き込まれかねねぇ。あいつの立場が悪くなる前に関わってる攘夷浪士だけでも捕まえる。」

山崎「分かりました。」


土方の意見を聞いて、山崎はその見解に納得した。
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