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銀魂 - 雪月花 -

第56章 優しさは時に相手につけこまれる。


その夜、山崎はその日収穫した情報を速やかに土方へと報告する。内容を聞いて土方は考え込むように腕組みをして、畳の上へと視線を落とした。


土方「・・・・・。」

山崎「どれくらいの期間のツケなのか、何人ぐらいの面倒見てるのかまでは分かりませんでしたが…。」

土方「九万弱の魚代だろ?普通魚だけでそんなにかかるか?こりゃ相当な人数の面倒見てるって考えるのが妥当だろ。」


肉でもなければ、マグロ一匹勝ったわけでもなし、魚の切り身…切り身じゃなくても魚一匹の値段なんてたかがしれている。土方はその大量購入した魚が食堂メニューに割り当てられている可能性も考えたが、その場合は真選組と魚屋との契約といった形となる。請求書は真選組宛で屯所に届く為、この可能性は無いと判断された。

そして土方の見解に納得する山崎は頷きながら、それを正当化する意見を更に付け加える。


山崎「…それに、葵咲ちゃんの不審な行動は最近の事ですしね。」


不審な行動を取り始めてから日は浅い。そんな短期間に貯まるツケの料金とは考え難かった。それに加えて土方が更なる見解を述べる。


土方「あるいは、その魚屋が言ったように奴らが葵咲を足元に見て高級魚を毎日食い漁ってるか、だ。」

山崎「やっぱり脅されたり、弱みを握られたりしてるんじゃ…?」


葵咲の身を案じ、心配そうな顔を浮かべる山崎。そんな山崎の表情を見て眉根を寄せる土方。だが土方は情に流されるのではなく、真選組副長としての意見を述べた。
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