第55章 自分の事は案外自分よりも他人の方がよく分かっている。
総悟「土方さーん。どうしたんですかーぃ?攻撃しねぇと勝てないですぜぃ。」
土方「てめっ!総悟!!雪玉ん中に何入れてやがる!!これ当たったら負けっつーか、場合によっちゃ死ぬじゃねぇかァァァ!!」
※良い子も悪い子もマネしないでね!
土方の反論などものともせず、総悟は至って平然とした態度で答える。
総悟「何入れやしたかねぃ。色々入れたんで忘れちまいやした。何が出るかは当たってからのお楽しみでさぁ。」
土方「楽しめるかァァァァァ!!」
だが確かに総悟の言うとおり、このまま何もせずに身を潜めていても事態は好転しない。そう思って反撃する為に壁から身を乗り出そうとしたその時だ。
『ドォォォン!!』
総悟の投げた雪玉が地面へと落ちた瞬間爆発した。
土方「うぉぉぉぉ!!お前っ!これ!!反則だろォォォォ!!おい審判!テメー仕事しろ!何とか言いやがれ!!」
フェアじゃない決闘が繰り広げられている中、審判である山崎は何も言わない。あまりの不公平さに土方は山崎へとクレームをつけた。だが山崎は顔色一つ変えずに答える。
山崎「いえ。雪玉に何か仕込んじゃいけないってルールはないので。」
土方「いや、どう考えたって完全にアウトだろーが!!」
明らかに土方が不利なこの決闘。土方は防戦一方となり、総悟ばかりが攻撃を仕掛けている。そんな戦況を近藤と葵咲は橋の上から心配そうな顔で見つめる。そして葵咲が二人に向かって叫んだ。
葵咲「わ、『私の為に争わないでェェェ!!』…キャー!人生で一度は言ってみたかった台詞!言っちゃった!でも何か恥ずかしいっ!!」
近藤「お前も何やかんやで、この状況楽しんでるよね!?」