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銀魂 - 雪月花 -

第53章 相手の承諾を得るのに必要なのは粘り強さ。


翌日。屯所の入口で総悟は葵咲を待っていた。
葵咲は待ち合わせ時間ジャストにその場に現れた。記念すべき初デート。総悟は葵咲がどんな格好で来るのかと期待していたのだが、葵咲の服装・髪型は普段どおり。まぁ葵咲らしいといえば葵咲らしいのだが…。先日の近藤とのデートの際にプレゼントした着物を着用してくれるかとほんの少しだが期待していたが為に、肩を落としてしまう総悟だった。
葵咲が現れた時間は決して遅刻ではないのだが、総悟が待っている姿を見た葵咲は申し訳なさそうに謝罪した。


葵咲「ごめんね、待たせちゃって。」

総悟「全然待ってやせんよ。」


そんな葵咲に笑顔を向ける総悟だったが、その言葉は聞いていない様子の葵咲。総悟の服装を見て突然大きな声を上げた。


葵咲「あっ!やっぱり!!」

総悟「?」


突然の大声にビクリとする総悟。ぎょっとした顔をしていると、葵咲がため息をついた。


葵咲「そんな薄着で…。風邪引くでしょ?」

総悟「あぁ。」


なんだそんな事か。そう思い、総悟は薄着のワケを説明しようと言葉を紡ごうとする。


総悟「そんな…」

葵咲「『遠くもないし、大丈夫でさぁ。』?」

総悟「!」


言おうとしていた言葉を先読みして発する葵咲。その鋭い考察に、総悟は思わず息を呑む。そんな図星な様子の総悟を見て、葵咲はフッと笑みを零して続けた。


葵咲「ダメだよ。そういう油断が風邪に繋がんの。体調管理はしっかりしないと。」

総悟「・・・・・。」


完全に子供扱いだ。今日の服装といい、自分に対する態度といい、全く男として見られていない事に不服な様子の総悟。総悟は拗ねるように視線を斜め下へと逸らした。
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