第52章 疲れてる時はどんな状況だって眠れる。
感情的になるあまり、つい声が大きくなってしまっていた二人。
そんな二人の言い争う声を聞きつけ、その場に総悟が駆けつけた。
総悟「葵咲!?どうしたんですかぃ!?何かあっ・・・・」
総悟はこの日、夕方頃の戻り予定だったのだが、予想以上に仕事が早く片付き、ちょうどこの時、屯所へと戻ってきたのだった。
土方「…!? そ、総悟!?」
総悟の姿を見て、慌てて掴んでいた手をパッと離す土方。だが時すでに遅しだ。早朝に葵咲の部屋から出てきて言い争う二人。しかも土方の発言は『俺がお前に何かした』、だ。色々と誤解を抱いた総悟は、その場で固まった。
総悟「・・・・・。」
土方「ちっ、違う!何もねぇ!何もしてねぇ!!」
総悟「今、『俺が何かしたんだろ』って…言いやしたよね?」
異常なほどの殺気を放つ総悟。土方は己の身の危機を感じ、慌てて前言撤回した。
土方「言ってねぇ!!」
葵咲「そうだよ!ホント!ホントに…何も・・・・何もないから・・・・っ!!(カ~ッ)」
否定しながらも、昨夜の事を思い出してしまった葵咲は再び顔を真っ赤にして俯く。その様子を見た総悟は、それを問い詰めるが如く、土方を睨みながら言葉を放った。
総悟「・・・・つーか、こんな朝早くから…なんで二人で葵咲の部屋から出てきてんですかぃ…?」
土方「そっ、それは…!!これには深~い事情が!!」
総悟「・・・・・。」
土方「・・・・っ!」