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銀魂 - 雪月花 -

第52章 疲れてる時はどんな状況だって眠れる。


翌朝。結局、一睡も出来なかった葵咲。土方はほぼ一晩中、葵咲を後ろから抱き締めた状態で眠っていたのだ。眠れるはずもない。
しかも残念な事に、明朝の寝返りで土方は葵咲から離れ、目を覚ました時には眠る前の状態と同じ体勢となっていた。当然、土方に寝ている時の記憶があるはずもなく、熟睡中の体勢についてなど土方が知っているはずも無い。土方からすれば、就寝前となんら変わりないというわけだ。

部屋へと朝日が差し込んだ時、葵咲は起き上がり、布団の上でぼーっと座りこんでいた。


(葵咲:眠れなかった…。)


すると、少しして土方も目を覚ます。土方は布団から起き上がり、欠伸をしながら伸びをする。


土方「ふぁぁっ。…朝か。」


案外眠れたな。それが土方の感想である。“疲れていたから”、それが一番の理由だ。文字通り倒れるように眠ってしまったのだ。

起きたものの、少し頭のぼーっとしている土方。少しの間、無心で目の前の景色を見やる。いつもと見慣れぬ風景。自分の部屋での目覚めと違う。ああ、そうだ。昨日は結局手錠が外れず、葵咲の部屋で眠ってしまったのだ。

ようやく頭の整理が出来、ふと隣に目をやると、目の下にクマを作った状態で布団に目を落として座っている葵咲の姿が目に入った。


土方「!? お、おい。…大丈夫か…?」


ぎょっとしながらも、恐る恐る葵咲に声を掛ける土方。声を掛けられた葵咲は、ハッとして土方に目を向ける。そして顔を真っ赤にして首を横に振った。


葵咲「えっ!?だっ、大丈夫ですよ、大丈夫…!!」


そう言って葵咲は顔を真っ赤にしてパッと視線を横に逸らした。昨夜の事を思い出したのだ。


土方「え?」
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