第5章 就活するなら資格は沢山持ってた方が有利。
高橋とその部下達は、土方が呼び寄せた他の真選組隊士達によって、連行された。
銀時「ふぅ。やれやれだなァ。」
葵咲「あの、万事屋さん、本当に有難うございました。」
住む場所や奉公先探しに付き合ってくれた上に、今回の高橋の一件では自分の命を助けてくれた。そんな銀時に感謝してもしきないといった気持ちで、葵咲は深々と頭を下げた。
銀時「ん?別にィ。大した事ァしてねぇよ。」
銀時はいつものように鼻をほじりながら薄ら笑いを浮かべて返答する。そんな姿を見て、葵咲は微笑を浮かべた。
葵咲「クスクスッ。」
銀時「なんだよ、何がおかしいんだよ。」
葵咲「いえ、ごめんなさい。なんだか昔の知り合いに似てる気がしたから。」
銀時「・・・・・。」
銀時が何か言おうとしたその時、土方が葵咲の名を呼び、葵咲に向かって刀を放り投げた。
土方「おい市村!」
葵咲の大事な形見の品、『雪月花』だ。宙を舞った刀を上手くキャッチした葵咲は、刀の名を叫ぶ。
葵咲「デュランダル!!」
思いがけない刀の名前に、すかさず土方はツッコむ。
土方「デュランダル!?バリバリの日本刀なのに、なんでカタカナ横文字の名前!?」
葵咲「『雪月花』と書いて『デュランダル』って読みます。」
土方「読めねぇよ!それお前が勝手に読んでるだけだろ!!」
葵咲「デュランダルは英雄ローランが持ってた、あの有名な聖剣ですよ?『せつげっか』よりカッコイイじゃないですか。私はこの刀もデュランダルのように育ってくれると信じてます。」
土方「それただのお前の願望じゃねぇか!!っつーか刀が勝手に育つかァァァ!!」