第5章 就活するなら資格は沢山持ってた方が有利。
高橋「だっ、誰だ、てめぇ!!」
銀時「ご苦労なこったなァ。この間のいざこざの件聞いて今回の銀行強盗?計画したそうじゃねぇか。わざわざこいつの家放火したり、大事なもん奪ったりして、依頼を断れねぇようにしてな。」
パチンコに行くと言って万事屋を出た銀時は、葵咲のアパートの放火について調べていくうちに、ここに辿り着いたらしい。
桂、土方、葵咲が揉めた事件を何処からか聞きつけた高橋は、葵咲を楯にする事を思いついた。護り屋を営む葵咲と契約することは容易だが、それでは顔見知りである土方に寝返られる可能性が高い。そう考えた高橋は、葵咲を追い込む為にアパートを放火して財産を奪った(と言っても、金目のものはあまりなかったのだが。)。そして今度は葵咲が総悟と出掛けている隙に志村家に忍び込み、唯一の財産ともいえる葵咲の大切にしている刀、『雪月花』を盗み出したのだ。そしてその刀を返して欲しければ自分達に協力しろと葵咲を脅したのだった。
葵咲の持っている刀が葵咲の物でない事から、ある程度、事の真相についての予測はついていた土方だったが、念の為に銀時に確認した。
土方「どういうことだ。」
問われた銀時は、後ろにいる葵咲を親指で指しながら答える。
銀時「こいつとお前が知り合いだって事知ってたんだよ。だからお前らがやり合えねぇって思って利用したんじゃねぇか?」
土方「なるほどな。それで市村の大事な刀を楯に脅してたってわけか。下種なヤローだな。」
なんとなく事情を察した総悟の怒りは頂点に達している。
総悟「…てめぇ、覚悟は出来てんだろうな?」
漲る殺気は尋常ではない。その殺気に恐れおののいた高橋は葵咲の方を見る。
高橋「ぐっ…!い、市村…」
高橋が葵咲に助けを求めるよりも先に、土方が葵咲に話を持ちかけた。
土方「おい市村!そいつらとの契約は切れたんだよな、今から俺と契約結べるか?」
葵咲「!…勿論!」
土方と契約を結んだ葵咲は、高橋が逃げれないように、素早く高橋の背後へと回りこむ。その様子を見た土方は叫んだ。
土方「正社員採用だァァァァァ!!」
そう言って高橋に突っ込む土方に総悟も続き、二人は一気に畳み掛けた。
高橋「ぎゃァァァァァ!!」