第48章 エスコートの基本は道路側を歩くこと。
総悟はそのままパトロールへと出掛けた。土方は先程総悟から聞いた話を考え込みながら屯所内を歩く。やはり信じ難い。近藤は妙に心底惚れていたのではないのか。毎日ストーカーを働くほどに。それだけ惚れた女を簡単に諦めて乗り換えられるものなのか?
(土方:こないだ一緒に人質になった事がきっかけか?それとも人質になってた時に何かあったのか?)
唸りながら歩いていると、近藤と葵咲の声が聞こえてきた。土方は反射的に慌てて建物の影へと隠れた。
近藤「葵咲が一緒にいてくれると安心出来る。」
葵咲「そんな…私なんかに勤まるかどうか…。」
近藤「じゃあ葵咲、明日は…宜しくな。」
葵咲「はい。一時に家康像の前で。」
約束を交わした二人はそのまま別れる。土方はそんな二人の様子を見ながら、深く考え込んでいた。
土方「・・・・っ。」