第47章 生きる事、生まれてくる事を許されない人間なんていない。
その言葉と同時に動き出したのは古兵衛だった。古兵衛は両手に握った刀でガンガン攻撃を仕掛ける。先程の傷が痛み、銀時は防戦一方となる。古兵衛の攻撃を防ぐので精一杯の様子だ。傷口の痛みに堪えながらも何とか攻撃を凌いでいた銀時だったが、その痛みに耐えかねて一瞬怯んでしまう。古兵衛はその“隙”に目を付けた。
銀時「くっ!」
田中「おいおい、さっきの威勢はどうしたァ~?」
古兵衛は一瞬の隙をつき、銀時の傷口を蹴りつけた。
(銀時:こいつ!傷口を狙って…!!)
田中「ハハハッ!強がってても傷は痛ぇみたいだなァ~!」
銀時「ぐっ!!」
傷口に攻撃を受けてしまった銀時。何とかその痛みに耐えるが、古兵衛の攻撃が止む事はなかった。刀での攻撃の合間に古兵衛は何度も銀時の傷口を狙って蹴りを入れる。卑怯とも言えるその攻撃はまたもや傷口にヒットし、銀時はそのまま蹴り飛ばされ、そしてビルの端の柵へと叩きつけられた。
銀時「ぐはっ!!」
葵咲「銀ちゃん!!」
自分を庇ったばかりに闘いが劣勢となる銀時を見て、葵咲は罪悪感の念に支配される。古兵衛はうずくまる銀時のもとへ、ゆっくりと近付き、その前で立ち止まった。そして銀時を見下ろしながら刀を大きく振り上げる。
田中「さて。…そろそろフィナーレといくか…。」
二人の様子を見ていた葵咲は、右手をぎゅっと握って拳を作る。だがその拳に力は入らず、ガタガタと震えていた。
(葵咲:何やってんの、私は。このままでいいの?護り屋なんて仕事してても、真選組隊士になっても、結局はいつも護られてばかり…。それじゃ駄目、駄目なんだ…!!)
古兵衛は自分の頭上高くに刀を掲げてニヤリと笑う。
田中「てめぇの自己満足に酔いしれて死ね…!」
銀時「!!」