第46章 心を砕くのは言葉のナイフ。
葵咲は銀時の後方でへたり込んでいた。意識は保っている。
だが、身体が心に追いつかない。銀時に加勢しようと、刀を握ろうとするが手に力が入らないでいた。
葵咲「・・・・っ。」
(葵咲:くそっ!震えが…右手の震えが止まらない…。刀が握れない…足に力が入らない…!私は…私は・・・・!)
暫く銀時と睨み合いを続けていた古兵衛がニヤリと笑った。
銀時「!」
そして次の瞬間、左手の刀を素早く投げる。その刀の矛先は銀時ではなく、葵咲へと向いていた。葵咲は古兵衛の攻撃に気付くが、身体が思うように動かず、その攻撃を目で見つめることしか出来ないでいた。
葵咲「!?」
攻撃は葵咲に直撃すると思われたが、銀時が飛び込んで葵咲を庇う。だがそれは咄嗟の判断。攻撃を交わす事は出来ず、銀時はその攻撃をまともに食らうことになってしまった。
ドシュッ!!古兵衛の投げた刀が銀時のわき腹に突き刺さる。
銀時「ぐっ!!」
葵咲「銀ちゃん!!」
銀時はその場へ倒れこんだ。その傷口からは大量の血が溢れ出していた。