第5章 就活するなら資格は沢山持ってた方が有利。
大江戸信用金庫の裏通り、そこで攘夷志士の高橋は部下達にこれからの行動を確認していた。
高橋「さっき話した手筈通りにあの銀行から金を奪う。いいな?」
その場には通行人の話のとおり、女もいた。その女とは葵咲だった。葵咲はこの場で初めて高橋の計画を聞いた為、高橋に詰め寄った。
葵咲「ちょ、ちょっと待って下さい!銀行からお金を奪うなんて聞いてな…」
高橋「お前には関係ねぇ、お前はただ俺らの命護ってりゃいいんだよ!」
葵咲は苦虫を噛み潰したような表情をした。高橋とその部下達が大江戸信用金庫の裏口へ向かおうとした時、聞き覚えのある声が高橋を呼び止めた。
土方「おい。貴様、攘夷浪士の高橋だな?神妙にお縄に…」
そこまで言った時、高橋の傍らに見覚えのある女の顔がある事に気が付いた。
土方「…!! お前っ!!」
総悟「!? なっ!なんで…市村さんが…?」
葵咲「あっ…あなた達は…!」
前に定食屋で会った時は髪の毛を下ろしていた葵咲だが、今は首の後ろでおだんごにしている。その為、土方は気付くのに遅れてしまったが、その嫌な予感はまさに的中してしまったのだ。客を選べ、そう言ったのにこの女は。何故こうもこの女は自分と敵対する奴に絡まれるんだ。土方が苛立ちながら刀を鞘から抜き、葵咲にその意志を確認した。
土方「おい、お前こいつらがどういう連中なのか知らねぇのか?今ならまだ目ぇ瞑ってやる。こっちに来い!」
葵咲「・・・・・。」