第46章 心を砕くのは言葉のナイフ。
呼びかけられて我に返る土方。ハッとなって振り返ると、総悟が土方を睨みつけていた。
総悟「ぼーっとしてる暇はないですぜぃ。さっさと葵咲を探し出す、それしかないでしょ。」
冷静に現状を見つめる総悟。その言葉に土方は静かに頷いた。そして総悟はてきぱきと周りの人間に指示を出す。
総悟「ザキ、近藤さんの処理はお前達に任せるが、いけるか?」
近藤「ちょっと総悟!ちゃんと“爆弾処理”って言ってくんない!?なんか俺が処理されるみたいじゃん!」
総悟の扱う言葉に不満を漏らす近藤。だがその言葉は誰の耳にも届いておらず、会話はどんどん進んでいく。
山崎「はい!ここは俺と近藤処理班に任せて下さい!沖田隊長、副長達は早く葵咲ちゃんの捜索を!」
近藤「あぁっ!ザキまでっ!!近藤処理班て何ィ!?しかもどさくさにまぎれて呼び捨てにされてるゥゥゥ!!」
腐っても局長。真選組という組織のトップであるにも関わらず、ぞんざいに扱われていることに近藤は涙目だ。だがその扱いはどんどん酷くなっていった。
土方「ああ!ソレの処理頼む!!」
近藤「挙句の果てには“ソレ”扱い!?お前ら酷すぎだろォォォ!!」
叫ぶ近藤を放置して、土方、総悟、その他隊士達は葵咲捜索の為に部屋から駆け出して行った。