第46章 心を砕くのは言葉のナイフ。
近藤が監禁されている建物へと突入する真選組。その先頭にいたのは土方だ。土方は近藤のいる部屋の扉を勢いよく開いた。
土方「近藤さん!葵咲ァァァ!!」
近藤「トシ!!」
助けに来た仲間の姿を見てホッとする近藤。その感情はその表情から見て取れた。土方は部屋へと入り、近藤へと駆け寄る。そしてすぐに辺りをきょろきょろと見回し、この部屋に葵咲の姿がない事に気が付いた。
土方「!? 葵咲は…!?」
近藤「奴に…田中に連れて行かれた…!!」
土方「な・・・に・・・・っ!?」
言葉を失う土方。嫌なイメージばかりが頭の中を駆け巡る。土方は生気を失ったかのようにその場に佇んだ。近藤はとても悔しそうに目を深く瞑り、頭を垂れた。
近藤「すまねぇ!俺がついていながら!!」
何の為にここに一緒に囚われていたのか。それがあまり意味をなさなかったと、近藤は自分の不甲斐なさを悔しがった。
山崎「局長!あまり動かないで下さい!この時限爆弾を早く解除しないと!!」
近藤「あ、ああ。悪い。」
近藤のもとには他の隊士達も駆けつけていた。そして爆弾処理班が近藤に巻きつけられた爆弾を取り除こうとしている。それを見て近藤は焦る気持ちを抑えながら、じっと動かないよう努めた。
心ここにあらずといった状態で立ちすくむ土方。その土方に必死に呼びかける者がいた。
土方「・・・・・。」
総悟「土方さん、…土方さん!」
土方「!」