第46章 心を砕くのは言葉のナイフ。
悲痛な叫び声があがったその時、起爆装置を握った古兵衛の手に木刀が投げつけられた。その衝撃で古兵衛は起爆装置を地に落とす。
田中「つっ!!」
地面に落ちた起爆装置と木刀はそのまま転がり、それを投げた者の足にコツンと当たった。そしてその者は木刀を拾い上げた後、起爆装置を勢いよく踏み潰す。古兵衛は右手を押さえて、木刀が飛んできた方向を睨む。睨んだ先にいたのは銀時だ。
銀時「おいおい、そんな身体中傷だらけのドMのくせして、口から出るのはドS魂ですかコノヤロー。」
田中「白夜叉…!!」
銀時の姿を見た古兵衛は一瞬嫌な顔を浮かべたが、やがていつものヘラヘラした表情へと戻り、笑いを零した。
田中「…ククク。ハハッ。そうさ。身体はドM、頭脳はドS。その名も…。」
銀時「名探偵コ●ンじゃねーだろォォォォォ!!!お前どんだけ青山ファンなんだよ!!」
何処かで聞いたことのあるフレーズに、銀時は全力でツッコミを入れた。そして銀時はゆっくりと葵咲の傍へと歩み寄る。
葵咲「銀…ちゃん…。」
銀時「待たせたな、葵咲。もう大丈夫だ。お前はそこで休んでろ。こいつは俺が…片付ける。」
そう言って葵咲を背に庇い、銀時は一歩前へと躍り出た。古兵衛は口元に薄ら笑いを浮かべ、見下ろすように顎を上げながら銀時を睨みつけた。
田中「へぇ。やってみろよ。やれるもんならなァ…!!」