第44章 生い立ちや立場が違っていれば思想も変わる。
- 新八・神楽サイド -
“虹の花びら”入手の為、ハルル星へと降り立った新八達。
ここには一時間も掛からず辿り着く事が出来た。
新八「ここが、ハルル星。思ってたよりも近かったですね。」
神楽「じゃあ早速花を探すアル!」
とは言ったものの降り立った場所には何もなく、町も無ければ人がいる気配も無い。草木は生えているが、動物がいる気配すらなかった。
新八は“虹の花びら”の写真を懐から取り出す。写真を見る限り、この花はそこらへんの地面に咲くのではなく、崖のように急な斜面に咲いているようだった。雰囲気で言えばエアーズロックのような斜面である。
現地での聞き込み調査が望めない為、自らの足で探し回るしかない。
新八は心の中で『よし!』と呟き、気合を入れた。
新八「神楽ちゃん、これ花の写真。この花を…。」
神楽「あったアル!!」
新八「え。」
神楽の指差す方向に目を向ける新八。
そこにあったのは全長10mはゆうに超えるであろう大きさの巨大な花だった。確かに写真のとおり、山の斜面に咲いており、花びらの色は虹色をしているが想定外のデカさである。
新八「で、でけェェェ!!でかすぎるよ!一体何メートルあんの!?つーかこれ花!?」
おろおろする新八をよそに、神楽は花に向かって駆け出していた。
神楽「私が取ってきてあげるヨ!」
新八「あ、待って神楽ちゃん!」
神楽がその花びらをちぎる為、山の斜面となっている崖をよじ登ろうとしたその時、微かにその“崖”が動いた。