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銀魂 - 雪月花 -

第44章 生い立ちや立場が違っていれば思想も変わる。


更に近藤は葵咲を安心させるように言葉をかけた。


近藤「お前は何も心配するな。あいつらが必ず俺達を迎えに来てくれる。」

葵咲「そうですね。」


そう言われると本当にそんな気がしてくる。
言葉は“言霊”とも言われている。口に出せばそれが実現する可能性も高まる。
葵咲は近藤の言霊を信じ、力強く頷いた。そんな二人の様子を間近で見ていた古兵衛はわざとらしく鼻をすする。


田中「ハァ~泣けるねェ~。お熱い友情ごっこ、ご苦労様。」


間違いなく嘘泣き。明らかに二人を馬鹿にした発言だ。それを見た近藤は鋭い眼光で古兵衛を睨みつけた。


田中「いちいち睨むなよ。俺は本当に感謝してんだぜェ?そのお陰で、必要なモンが簡単に手に入るんだからな。俺としちゃ、この上ない案件なんだよ。」


その言葉に嘘はないだろう。感謝しているかどうかは微妙だが、動かずして必要な物が手に入る点は事実である。その事だけ告げると、古兵衛は伸びをして部屋の入口の方へと足を向けた。


田中「さて、と。」

近藤「おい、何処に行くつもりだ?」


問われて古兵衛は首だけ振り返る。


田中「ここにいたってしゃーねぇし。俺は俺の仕事をするわ。」

葵咲「待ちなさいよ!」


古兵衛を引き止める葵咲。この男は何を考えているのか分からない。野放しにするよりは、自分達の目の届く範囲にとどめさせた方がまだ安全だと考えたのだ。
葵咲の声に古兵衛は反応して再び振り返る。


田中「ん~?なぁに?もしかしてェ…。」


そう言って古兵衛は踵を返し、葵咲のもとへと歩み寄る。そして葵咲の前にしゃがみ込んで顎をぐいっと持ち上げた。


田中「何か期待してる?アンタが俺に犯されたいって言うんなら、近藤(コイツ)の目の前でヤってあげてもいいけど~?」

葵咲「っ!」

近藤「貴様っ!!」


眉間に血管を浮かび上がらせて怒る近藤を見て、古兵衛は満足そうに嘲笑う。


田中「ハハハッ、冗談だよ。言っただろ?俺は公開プレイの趣味はないんでね。ちょっとからかっただけサ。適当にまた来るよ。」


そう言って古兵衛は部屋から出て行った。
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