第43章 ミジンコにも大事な役割がある。
銀時「おう、頑張れよジミー。」
新八「山崎さん有難うございます、心強いです。」
総悟「なんとしてでも十トンかき集めて来いよ。一人で。」
山崎「あの、すみません、なんで俺一人の方向なんですか?俺一人じゃ無理でしょ!」
結局、水は残りの真選組隊士達全員で請け負う事となった。
役割を整理する。“天使の涙”は、銀時と原田率いる十番隊、“悪魔の涙”は総悟率いる一番隊、“虹の花びら”は、新八、神楽、そして二番隊。“六甲の滝水”は山崎と残りの真選組隊士達。そして“牢獄の鍵”は土方が担当する事で決定した。
銀時「よし、じゃあこれで決まりだな。」
それぞれの材料を集める為に、この場は一度解散となる。
皆が部屋からぞろぞろと出ていく中、新八は近藤を引きとめた。
新八「あの、近藤さん、すみません…。僕の代わりに…。」
最初人質役を買って出たものの、その役割は近藤になってしまった。新八はその事に少し申し訳なく感じたのである。
近藤は首を横に振って、これくらいどうって事ないといった素振りを見せる。
近藤「何言ってるんだ新八君。未来の弟にそんな危険な事させられるわけないだろう。」
新八「未来の弟じゃないので、全く気遣い不要だったんですが。」
近藤「・・・・・。」
さらっと冷たく放たれるその言葉に、近藤は何も返せなかった。
だが今度は近藤の方が申し訳なさそうな顔を新八に向けた。
近藤「これは真選組の問題だ。むしろこちらのいざこざに巻き込んでしまって、すまないな。」
新八「いえ、それは全然…。」
近藤「じゃあ俺はそろそろヤツのところに行くとするか。皆すまない、後は頼んだぞ。」
そう言って近藤は一人、古兵衛の指定する場所へと足を向けた。その背中を新八は心配そうに見つめる。
新八「近藤さん・・・・。」
ボソリと呟く新八の肩に、ポンと手が置かれる。振り返るとそこには頼もしげな顔をした銀時がいた。
銀時「心配すんな新八。あいつも葵咲も必ず俺達が助け出す。そうだろ?」
新八「…そうですね。」
万事屋の三人も部屋から出て、それぞれの担当する持ち場へと向かうことにした。