第43章 ミジンコにも大事な役割がある。
“ご奉仕”が何を意味するのか、それは“俺も男だから”という言葉で容易に想像がついた。それが分かった土方は頭に血を上らせて激怒した。
土方「てめぇ!!葵咲に指一本でも触れてみろ!!ぶった斬ってやる!!」
怒りのままに叫ぶ土方を見て、古兵衛は葵咲の顎を掴んでいた手をパッと離す。そして呆れた顔を土方の方へと向けた。
田中「あのさァ、アンタちゃんと見えてる?もう手のひらで顔に触れちゃってんだけど。ま、そんなに心配なら、アンタが見張りに来れば?」
土方「あ!?」
田中「誰か俺の見張り役で一緒に人質になればいいでしょって話~。俺は誰かの前でヤるような変な趣味はないからさ~。どうする?」
クスクスと笑いながら言う古兵衛。それは“こうなる”事を予測していたようだ。全てが思い通りで楽しい。それが全身から滲み出ていた。
それを見た葵咲に寒気が走る。この男は一体何手先まで読んでいるのか。
古兵衛の挑発に乗ってしまえば人質が増えるだけで何の解決にもならない。葵咲は必死で土方の説得を試みた。
葵咲「ダメです!来ちゃダメ!!来たらこの男の思うツボです!!」
だがそんな葵咲の言葉は、頭に血が上った状態の土方には届いていない。
土方が受けてたとうとしたその時、“別の者”が名乗り出た。
「その役、僕がします。」
突然の申し出に、その場にいた誰もが耳を疑う。皆の視線が“名乗り出た者”へと集まった。
一歩前へと進み出たのは新八だった。
葵咲「新八君!?」
新八「この任務に必要なのは真選組という組織の力や悪魔と戦えるような強さです。残念ながら、そのどちらも僕には乏しい。だからせめて僕にでも出来る事を…。」
土方「メガネ…!」
銀時「新八…。」
田中「・・・・・。」