第4章 自分のドッペルゲンガーじゃなければ多分死なない。
屯所に帰ってきた総悟は一人縁側を歩いていると、土方に呼び止められた。
土方「おい、総悟。今日一日何処行ってやがった?」
総悟は土方を睨みつけながらも、一応上司の問いに答える。
総悟「パトロールでさぁ。」
土方「一般市民連れまわして、か?」
一般市民とは当然葵咲の事だ。総悟が何処に行っていたのか、土方はお見通しだった。
総悟「・・・・・。」
土方「あんまりあの女には関わるな。」
土方の考えはミツバの時と同じだ。葵咲は別に惚れた女ではないが、巻き込みたくはないと思っている。真選組の仕事をしている以上、自分達と深く関わればその身に危険が及ぶ可能性がある。そう思って折角自分は関わらないようにしているのに、総悟が深く関わってしまえば水の泡だ。そう思った土方だがそこまで説明するつもりはなく、関わるなとだけ忠告した。そんな土方の思惑を知らない総悟は、土方の指示を受け入れるつもりはないようだ。まぁもし土方の考えを知っていても、総悟が土方に迎合する事はないだろうが。
総悟「自分だけのモノにしたいからですかぃ?」
土方「ハァ?何言ってやがんだ。」
総悟「自分はもう既に関わってるクセに。」
土方「関わりたくて関わったんじゃねぇよ!」
総悟「説得力に欠けてますぜぃ。」
それ以上土方と話す気になれなかった総悟は、さっさとその場を立ち去る。
土方「あ、おい!総悟!!…チッ。」
土方は総悟を追いかける事まではせず、舌打ちだけを残して自室へと戻った。