第42章 余計な一言を言う奴は嫌われやすい。
『○月×日の出立日、約束どおり“真選組の”姫君頂いてくぜ♡』
メッセージ最後の♡マークの横にはイラストが描かれていた。そのイラストとは、シルクハットにモノクルを着用した簡略化された似顔絵のようなもの。何処かで見た事あるイラストだ。それを見た新八はツッコまずにはいられない。
新八「なんで怪盗キッドだァァァァァ!!姫様盗む前にとんでもないモン盗んでるよ!これ盗作だろうが!!」
メッセージカードの文章を見た銀時は、ふと何かに気付いたように眉根を寄せる。
銀時「真選組の姫君…?」
その言葉に引っ掛かった銀時に嫌な予感が過ぎる。ドクン、ドクンと心拍数も上がってくる。今この場所で何が起こっているのか。その確認を行なう為、口を開こうとしたその時、土方と近藤がその場に駆けつけた。
近藤「おい大丈夫か!?…万事屋!?なんでお前達がここに?」
銀時達の姿を見た近藤は思わずその疑問を口に出す。だが、土方は万事屋三人の姿など視界に入っていない様子だ。慌てて籠の中、その周辺とを見回し、“籠の中にいた人物”の姿を探す。
土方「“葵咲”!何処だ!?葵咲ァァァ!!」
銀時「おい!何が起こってる!?」
その声を聞いてやっと土方の視界にも銀時達の姿が目に入る。そよ姫の着物を片手に佇む万事屋三人の姿を見て何かを悟ったような顔をし、そして近藤が悔しそうに言葉を発した。
近藤「…ハメられた!奴の狙いは最初から葵咲だったのか!!」
新八「え?まさか、ここにいたのは…?」
新八の疑問を受け、土方が目を伏せて下を向く。
土方「…ああ。葵咲だ。」
万事屋「!?」