第42章 余計な一言を言う奴は嫌われやすい。
警備員の叫び声を聞いた万事屋もまた、ただならぬその状況に異変を感じてすぐさま駆けつけた。
銀時達も籠の中を覗き込む。そして足元に落ちていた着物を拾い上げた。銀時と新八は手に取った着物を凝視しながら考え込む。
銀時「? ちょ、お前っ!これ、姫の着物じゃねーのか!?」
新八「えぇぇぇ!?ってことは、そよ姫様は・・・・。」
その先の言葉は発言する事が躊躇われた。だが二人の考えは全く同じで、二人揃って心の中で叫んだのだった。
(銀時・新八:下着姿で攫われたァァァァァ!!??)
思考回路が停止する。二人は着物を手に固まっているが、神楽はいつもどおりだ。右手に固く拳を作って二人に呼びかけた。
神楽「大変ネ!早くそよちゃん助けに行くアル!!」
銀時「ちょ、ちょ、ちょっと待て!助けに行くならお前一人で行け!」
神楽の呼びかけで我に返る銀時と新八。だが、我には返ったものの、まだ少しパニック状態である。今すぐ助けに行く事に関しては慌てて首を横に振った。
そんな二人の姿を見て神楽は怒りをそのままぶつける。
神楽「何言ってるアルか!そよちゃん放っておくつもりアルか!?見損なったネ!!」
銀時「いや、だってコレがここにあるっつーことは、向こうにはコレがねーって事で、つまりは何もないって事で…。助けに行ってもスゲー気まずいよ!どんな顔して助けに行ったらいいか分かんねーよ!!」
そよ姫としても、そんな辱められているところに男二人に来て欲しくはないだろう。そう言いたい銀時だが、その事が上手く神楽には伝わらない。着物を手に抱えたままワタワタしていると、その着物から一枚のカードがヒラリと舞い落ちた。それに気付いた新八は、下に落ちた紙を拾い上げる。
新八「ん?着物から何か紙が…。」