第41章 超長距離移民船団はみんなの憧れ。
そよ姫の出立日。
ターミナル周辺は人でごった返していた。江戸中の人が集まっているのではないかと思える程だ。
まぁ無理もない。そよ姫を一目見られるだけでも珍しいのに、外交の仕事の為に江戸から出る記念日となれば、野次馬根性が出てしまうのも納得だ。
そんな人の多い現場で警備は隅々まで厳重に配備されていた。勿論、真選組だけでは人手が足りなかった為、公募で警備員も雇っていた。
銀時「…久しぶりの仕事が警備員って。やる気出ねーな。」
その公募の警備員の中には万事屋も紛れていた。やる気のない銀時とは対照的に、新八と神楽は気合十分である。
新八「ちょっと銀さん、しっかりして下さいよ。」
神楽「そうネ!そよちゃんの門出アル。気合入れる以外他ないネ!」
二人に叱咤されても、銀時のやる気はまるっきり出ない。
いつもの死んだ魚のような目で二人を一瞥した後、すぐに視線を外して欠伸をした。
銀時「ガキはいいね~、祭り事となればすぐはしゃいじまって。」
やる気ゼロの銀時に対して、新八は少しイラっとする。
だがこの男のこんな態度は今に始まった事ではない。新八は銀時がやる気を出す事を諦め、辺りを見回した。
すると、忙しなく動いている近藤と土方の姿を発見した。
新八「ん?あれは…近藤さんに土方さんだ。」
新八の発言を聞いて、一応その方向に目を向ける銀時。近藤達の姿を確認したものの、別に興味はない。鼻をほじりながら適当な返しをする。
銀時「まぁ将軍様の妹君だからな。来てて当然だろ。」
その発言は間違ってはいないのだが、適当すぎる返答に新八は少し呆れた顔になる。