第41章 超長距離移民船団はみんなの憧れ。
そんな三人のやり取りを、総悟は考え込むように静かに取調室の外から見据えていた。
(総悟:こいつを幕府(うえ)がこっちに回してきたのも分かる気がするな。さっきのザキといい土方さんといい、この男は人の深層心理を読んでやがる。情報通ってのも嘘じゃねぇんだろう。何処から仕入れたかは知らねぇが、その情報を使って俺達の気持ちを逆なでするような台詞をわざと使い、煽ってやがるんだ。そして自分の引き出したい情報を更に引き出そうとしている。下手な質問を投げりゃ、こっちが逆に利用される…。)
土方の気持ちが少し落ち着いたところで、古兵衛が不敵な笑みを漏らす。
下を向いてクククと笑った後、近藤と土方とを交互に見ながら笑顔を向けた。
田中「真選組ってなかなか面白い組織みたいだね~。たった数分間でかなり楽しませてもらったよ。」
土方「このやろォ…!!」
近藤「トシ!!」
からかわれ、バカにされていると感じた土方は、またもや頭に血を上らせる。
近藤が再び羽交い絞めて押さえるが、古兵衛はそれを面白がる為に言ったわけではないらしい。古兵衛は口元に笑みを含んだまま続けた。
田中「お礼に良い事教えてやるよ。」
土方「あぁ?」