第40章 隠し事は案外バレている。
葵咲の警備が始まったのはつい先日のこと。桂の襲撃(?)があったが、一度失敗したならもう暫くは心配ないだろうと高をくくっていた。
しかし古兵衛の話を聞いて再び不安が過ぎったのである。これには総悟も賛成の様子で、特に何も口は挟まなかった。近藤が他の隊士へと指示を出している最中、土方は右手を顎に当てて考え込んでいた。
(土方:ヤツは葵咲の事を何処まで知ってる?吉田松陽の事も知ってやがるのか?それとも・・・・。)
色々な考えが頭の中を駆け巡る。考えれば考える程ショートしそうだ。そんな土方の様子を見兼ねた近藤は心配そうに声をかけた。
近藤「トシ?」
土方「え?あ、ああ…。悪ィ。」
声を掛けられて我に返る土方。らしくないその姿を見た近藤は首を横に振った。
近藤「お前らしくないぞ。冷静さを欠くなよ。」
土方「ああ…。」
土方はわしゃわしゃと頭を掻いて一度考えをリセットする事にした。