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銀魂 - 雪月花 -

第4章 自分のドッペルゲンガーじゃなければ多分死なない。


総悟の年齢を聞いた葵咲は自分の年齢と比べ、自分がいつの間にか歳を取っている事にショックを受けて軽く落ち込んだ。自分もいつまでも若いままではいられない。老後の事もあるし、年金を収める為にも今のままの生活では駄目だ、そう思って尚更早く奉公先を見つけたいと思った。


総悟「そうなんですかぃ?俺と同じぐらいに見えますけど…。」


葵咲は確かにミツバにそっくりなのだが、ミツバより少し童顔で、少し昔のミツバにそっくりと言った方が正しい表現なのかもしれない。ミツバと総悟は年の離れた姉弟だったが、葵咲はミツバより若く見える為、総悟は自分と同じくらいか少し上ぐらいの年齢だと思っていた。


葵咲「あら、そんなに若く見えます?嬉しいな~。」


お世辞ではなく、本心から言った総悟の言葉に葵咲は喜び、笑顔を見せる。女性に年齢を尋ねる事は失礼だとは思いながらも葵咲の実年齢が気になった総悟は尋ねてみた。だが葵咲は首を横に振るだけで答えてくれなかった。もしかしたら姉のミツバと同じくらいの年齢なのかもしれない。そう思った総悟はますます葵咲を姉と重ね合わせたのだった。年齢の話を逸らしたかった葵咲は、別の話を持ちかける。


葵咲「でも警察だったら命狙われますよね。私、今日一日頑張りますね!」


そう言った葵咲の姿は、総悟の目には昔のミツバそのものに見えた。


(ミツバ『そーちゃん、私、頑張るからね!』)


幼い頃から親の代わりに病気の身体をおして自分の世話をしてくれた姉。そんな記憶の中の姉が笑顔で総悟に話しかける。生前の姉の事を思い出した総悟は、立ち止まって下を向いてしまった。


総悟「・・・・・。」

葵咲「どうかしました?」


その様子を見た葵咲は、心配そうに総悟の顔を覗き込む。覗き込んできた葵咲と目が合った総悟は、この人に何も話さず勝手に自分の姉への思いを押し付けるのは悪いと思い、姉の事を正直に話した。


総悟「市村さんは…姉上に、死んだ姉上にそっくりなんです。」

葵咲「私が?」

総悟「ええ。顔だけじゃなくて、仕草や雰囲気も…。」

葵咲「そうなんですか…。」


その話を聞いた葵咲は悲しそうな顔になる。大切な人を亡くす悲しみを共感したのだ。そしてふとある事を思い出した。
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