第39章 探し物は思わぬところで見つかる。
だが、どうやら葵咲はそういう意味で言ったのではないらしい。暗く沈んだような面持ちで続けられるその言葉は、独り言のようにも聞こえた。
葵咲「あの時貰ったモノだから…私は前に進める…。」
土方「? どういう事だ…?」
土方からの問いかけに、葵咲はハっと我に返る。一瞬土方へと目を向けたが、すぐにまた視線を逸らした。
葵咲「あ、いや…。なんでも。」
二人の間に少しの沈黙が下りた。
暫く葵咲の方をじっと見つめていた土方だったが、一歩も引き下がろうとしない葵咲に、ため息をつきながら自らが折れた。
土方「わーったよ、俺も一緒に探してやる。」
葵咲「えっ!?そんなの悪いよ!」
そんなつもりで言ったのではなかった。慌てて遠慮する葵咲だったが、土方もここは譲れないと言わんばかりに、それ以上は引き下がろうとはしなかった。
土方「一人より二人の方が早ぇだろ。」
葵咲「・・・・・。」
葵咲は土方の申し出をしぶしぶ了承し、二人はバラバラになったブレスレットのパーツを探し始めた。