第38章 友達の友達は友達って考えてる奴の方が実は意外と友達が少ない。
聞こえるか聞こえないかぐらいの小さな声で謝罪する土方に対して、葵咲は怒りの表情で正論を述べた。
しばらくの間、銀時を揺すったり頬やおでこを叩いて呼びかけたが、全く起きる気配はない。
葵咲は一つため息をつき、仕方なく諦めて銀時をすぐ後ろにあった壁へともたれかからせた。
そしてゆっくりと立ち上がり、土方の方へと目を向ける。
葵咲「私は用事済ませてから帰るから。土方さんは銀ちゃん連れて帰ってて。」
突飛な葵咲の発言に、土方は驚いて目を見開く。
土方「ハァ?何言ってんだよ、こんな危ねぇ場所で何の用事があるってんだよ。」
葵咲「い、いいじゃん別に!」
危険を冒してまでしなければならない事なのか。用事の内容について問いただそうとする土方だったが、葵咲は顔を背けて誤魔化そうとした。
だが、土方はそれを許さず、真剣な眼差しを向ける。
土方「言え。」
葵咲「えっ!や、嫌だよ!」
土方「いいから言え。俺ァ納得出来なきゃ帰らねぇぞ。」
葵咲「・・・・・。」
一歩も引き下がろうとしない土方に、葵咲は眉を寄せて言葉を詰まらせた。