第38章 友達の友達は友達って考えてる奴の方が実は意外と友達が少ない。
土方「なっ!?まさか、お前…同意の上か!?」
葵咲「…は?何言ってんの??」
一体何の話をしているのか?会話の意図を読み取れない葵咲は怪訝な顔を浮かべた。土方は口論するように声を荒げる。
土方「襲われかけてて何言ってるもクソもねぇだろ!!」
そこまで言われてやっと意味が分かった。土方はどうやらとんだ勘違いをしているようだ。銀時が葵咲を人気のないビルへと連れ込み、無理矢理押し倒したと思ったのである。
以前も似たような事があった。万事屋での出来事だ。あれは単なる事故だが、今回は銀時が葵咲を庇って起きたこと。なんとも不憫な銀時なのであった。葵咲は慌てて誤解を解こうと事情を説明する。
葵咲「ち、違うよ!!アレ!あの瓦礫が落ちてきて銀ちゃんは私を庇ってくれただけだよ!!」
土方「…え。」
葵咲の指差す先にあったコンクリートの破片を見た土方は真顔に戻った。
そして葵咲は銀時を揺すり、頬をぺちぺちと叩くが全く起きる気配はなかった。今度は葵咲が青ざめる。
葵咲「完全にのびちゃってるじゃん!」
流石に罪悪感に襲われる土方。全くの無罪、しかも葵咲を庇った銀時に制裁を加えてしまったのだから当然だろう。バツの悪そうな表情を浮かべて視線を外し、頭をポリポリと掻いた。
土方「わ、悪ィ。」
葵咲「それは銀ちゃんが目覚めてから本人に言って!」