第38章 友達の友達は友達って考えてる奴の方が実は意外と友達が少ない。
葵咲「銀ちゃんの友達なら、私の友達も同然でしょ?友達の友達は、友達だよ。ちょっと待っててね。」
葵咲は持論を申し立てるが、アイスを最後まで受け取ろうとしない月詠に諦め、そのアイスを一度銀時に預ける。そしてアイスクリーム屋へと駆け出していった。
あまりの真っ直ぐな言葉に、月詠は少し驚きつつも照れたように頬を赤くした。銀時は月詠の方をちらっと見やり、ため息混じりに謝罪する。それは保護者のような台詞だった。
銀時「悪ぃな。巻き込んじまって。」
月詠「ああ、いや…。」
きょとんとしてしまっている月詠。無理もない。そんな台詞を面と向かって言われたのは初めてだったからだ。どう反応して良いのか分からない。それが正直な気持ちだろう。
銀時はアイスを追加購入している葵咲の方に目を向けながら、そして笑みを零しながら月詠に一つ頼み事をした。
銀時「アイツあんま友達いねーから良かったら仲良くしてやって。」
月詠「わ、わっちなんかで良いのか?」
銀時「ん?」
その台詞の意味を読み取れなかった銀時は月詠の方に再び目を向ける。月詠は照れたように頬を赤らめ、銀時からは視線を外して地面を見ながらもじもじとする。
月詠「あんなピュアな生き物に吉原の女は毒じゃろ。」
そういう意味か。銀時は月詠の発言に納得したように、小さく『あぁ。』と言葉を漏らした。だが、銀時はその月詠の意見に同意するではなく、首を横に振った。
銀時「んな事ねーだろ。お前も十分ピュアだろうが。」
月詠「なっ!ぬし、何を!!」
吉原で生活している月詠だが、男相手の仕事をしているわけではない。このおぼこ女をピュアと言わずに何と言うのか。銀時は思ったままの意見を述べたのだが、これには更に顔を赤面させる月詠だ。
だが、銀時が言いたいのはそういう事ではなかったらしい。至って真面目に銀時は続ける。