第37章 自分を狙っている暗殺者は一人だけとは限らない。
葵咲「銀ちゃーん。」
暫くして戻ってきた葵咲だが、今度は妙な皿を手に持っていた。銀時は目を細めて葵咲の持つ皿に注目する。
銀時「・・・・・。」
葵咲「これあげるよ。」
銀時「なんですか、その黄色い物体は。」
皿の上にはサラダ。そしてそのサラダの上には大量のマヨネーズが乗っかっていた。見覚えのある大量の黄色い物体に、銀時の脳裏には嫌な予感が過ぎる。
だが葵咲は笑顔で銀時の前に皿をずいっと差し出した。
葵咲「これ糖尿病に効くんだってさ。」
銀時「ぜってー効かねーよ。コレステロール溜まるだけだよ。」
葵咲「今度は大丈夫だよ。野菜は身体に良いんだよ。」
銀時「野菜はそうかもしんねーけど、その上に乗ってるモンは身体に悪いだろ。胸焼けがするよ。色んな意味で。」
“色んな意味で”とは勿論、嫌な土方(アイツ)の顔を思い出すからだ。そんな銀時の心情など読み取れず、葵咲は困り顔で口を尖らせる。
葵咲「疑り深いなぁ~。大丈夫だって。これもお医者さんに貰ったから。」
銀時「絶対お医者さんじゃないよね。純度100%で犯人は前髪V字型のあの子だよね。そうか、さっきのはアイツの部下だな。」
このマヨネーズの犯人が土方だと察しがついた事により、それに競合する人物の予測もついた。先程の禍々しいドリンクを差し向けた犯人が総悟だと気付いたのだ。