第37章 自分を狙っている暗殺者は一人だけとは限らない。
念の為に相手の形相や身なりを確認する。葵咲が知らないだけで、もしかしたら自分の知り合いの可能性があると思ったからだ。
葵咲は医者と名乗る者の姿を思い出すように右手人差し指を顎に当て、空を仰いで答えた。
葵咲「うーん、顔は分からなかったなぁ。マスクしてたし、サングラスもかけてたから。」
銀時「知らない人からモノ貰っちゃいけませんんん!!純度100%で怪しい奴だろそれェェェェ!!サングラスにマスクって!身元バレねーようにしてんじゃねーか!暗殺されかけてるよ俺!!」
明らかにおかしいと思った銀時は冷や汗だらだらでドリンクを葵咲の方へとつき返した。ドリンクを目の前に返された葵咲は、一応反論する。
葵咲「お医者さんは皆マスクしてんじゃん。」
銀時「サングラスはしてねーだろ!!返して来い!」
葵咲は渋々ドリンクを持って立ち上がり、ケーキを置いている場所、先程医者と名乗る男にドリンクを貰った場所へと向かって歩き出した。
そしてその様子を見ていた総悟が舌打ちをする。
総悟「チィッ。流石旦那だ。毒入りジュース見抜きやしたね。
どうやら自称医者の正体は総悟だったらしい。実際、この飲み物に入っていたのは単なる大量の下剤である。警察という立場的にも、流石に一般人の毒殺はマズかろう。総悟は大量の下剤が入った飲み物を銀時に飲ませることで、葵咲の前で辱めようとしたのだった。そこはやはりドS魂がものをいうのだろう。そしてそんな総悟に土方はダメ出しをした。
土方「あんなもん誰でも分かんだろーが。次は俺が行く。」
葵咲「折角もらったのになぁ~。」
くれた人に申し訳ない。そう思いながら葵咲は先程の医者の姿を探す。だがその時、先程の医者(総悟)とは別の白衣を来た男に声をかけれた。その正体は勿論、土方である。
土方「お嬢さん、ちょっと…。」
葵咲「?」