第36章 クーリングオフがきかない商品もあるから注意しろ。
銀時「ちょ、おまっ!これ黙ってらんねーだろ!危うくフォークに串刺しになるところじゃねーか!」
窓枠に刺さったフォークを指差しながら慌てふためく銀時。
だがそんな銀時には目もくれず、先程持ってきたケーキを頬張る葵咲。葵咲は先程の銀時の悪ふざけをまだ根に持っているようで、目を伏せてムスっとした顔でケーキを食べ続ける。
葵咲「人をからかうからバチが当たったんだよ。天罰だよ、天罰。」
銀時「天罰でフォークっておかしくね!?」
葵咲「神様も食事中だったんじゃないの?」
銀時「食事中にフォークで天罰下す神様なんて聞いたことねーよ!お手軽すぎんだろ!!」
必死に掛け合う銀時だが、葵咲は全く聞く耳を持たない。銀時は仕方なく気持ちを静め、ソファに座りなおした。すると、ちょうど店員がヨーグルトパフェを持ってきた。
「失礼します。パフェご注文の方は?」
葵咲「あ、はーい。」
葵咲は右手を上げて頼んだのは自分だとアピールする。すぐに葵咲はヨーグルトパフェを頬張り始めた。ニコニコと美味しそうにパフェを食べる葵咲。そんな葵咲とは裏腹に、銀時は冷や汗一つ垂らしながら真剣な表情を葵咲に向ける。
銀時「おい、気をつけろよ。もしかしたらお前のこと狙ってる奴らがこの中に…。」
先日の高杉との抗争から日は浅い。銀時はまたもや高杉に関与している連中が葵咲を狙っているのか、もしくは葵咲の素性をどこからか聞きつけた攘夷志士が狙っているのかと、その可能性を疑ったのだ。
だが、真剣に心配する銀時を見ても、葵咲の表情や態度は変わらない。葵咲はパフェを口に含んだまま答えた。
葵咲「ほんもはっひはんひはひほ…もむもむ。(訳:そんな殺気感じないよ。)」
銀時「緊張感ゼロだなオイ!!っつーかもう食ったの!?今の一瞬で!?お前全然食えるじゃねーか!誰だよ残すとか言ってたヤツ!残す気配ゼロなんだけど!」